偏平足

偏平足(へんぺいそく)は足の土踏まずが狭い、または無い状態を指します。この症状の原因は何なのでしょうか?
偏平足には成人型と幼児型があります。小児期からなっているものに関してはさほど問題はないのですが、成人になってから出ている場合は注意が必要です。

原因
中年以降の女性や肥満型の人に多いと言われますが、全年齢で可能性はあります。多くの場合がサイズの合っていない靴を履き続けた結果、足裏のアーチ構造が崩れてなってしまうパターンが多いです。

どの競技の靴もそうなのですが、なぜか初心者向けシューズは幅広が多いのです。日本人体系の人で幅広タイプしか合わないと感じている場合はそれは偏平足か、そこまでいっていなくても足のアーチ形状が崩れている可能性があります。



後脛骨筋(こうけいこつきん)という筋肉がアーチを吊り上げる役割をしているのですが、その後脛骨筋が何らかの理由で機能が低下してしまい、アーチを保持できない状態になるケースがあります。

筋肉は持続的な伸長を加えていると筋力低下が起こります。要は伸ばされっぱなしの筋肉は筋力が落ちてしまうということ。これは体全体のどの筋肉にでも起こりえます。



■アーチサポートのみでは偏平足の症状は改善しない

偏平足でよくありがちなのが、内側アーチがないからその部分だけ、アーチ補正のサポーターを入れるという考えです。確かに、アーチの部分がなくなってしまうというのは良くないのですが、その部分だけに着目してアプローチするのは危険です。

例えばこちらの足。
偏平足なおかつ、踵の傾きが大きなパターンです。

例えば、この足に対してアーチサポートのみを入れた場合、単純に足が外に傾いてしまいます。いわゆる回外足になってしまうのです。踵の捻じれ、傾きが強いのにそのかかとの部分に対してサポートを加えなければ状態はどんどん悪化します。

こちらの写真をご覧ください。左がフォームソティックス・メディカル、右がもともと患者さんの靴に入っていたインソールです。
踵の部分を後ろから撮影したものですが、これだけヒールカップの深さが違います。市販のインソールはこのヒールカップ部分が薄いことでかかとのサポートがほとんどされていない状態です。これでは内側アーチを高めただけでは踵の部分の安定感は失われてしまいます。

アーチサポートとヒールカップはセットで考えるべきです。
偏平足でアーチサポートのみのサポーターをしている方は余計に踵の捻じれが強くなる可能性がありますので注意が必要です。

偏平足は骨の変形が出てしまうと元に戻すことはできません。それは成長期を過ぎた方すべてに言えることです。

骨の形が変わらなくても、関節が動く範囲であれば骨の位置は少し戻ります。インソールを入れるということはこの骨のポジションを整えてあげるということを意味します。

確かに履いている最中だけしか矯正はされませんが、一日の中で靴を履いている時間はどれだけ長いかはご自身でも理解されているはずです。少しの時間でも足にかかる負担を軽減することは、全身の負荷を軽減することと同じことなのです。


偏平足も放置してしまうと様々な別な症状を生み出してしまうので、早めのケアをオススメします。


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